企業戦略を探る (星野リゾートが高級旅館チェーン化)

OBC

2011年07月13日 09:38

日経新聞によると、星野リゾートが、全国の有名旅館から運営委託を受けて、

「星野リゾート 界」 のブランドに統一化して、チェーン化を図るようです。

高級旅館の全国チェーンは日本で初めてだそうです。

なぜ、星野リゾートはそのような戦略を進めるのでしょうか?

また、全国の温泉旅館は星野リゾートのブランドへ移行するのでしょうか?

星野リゾートは、一般大衆路線、団体旅行路線から、「個人」「高級」へシフトして

成功を収めています。

ご承知の通り、団体旅行はモータリゼーション、価値観の多様化の流れで、急激に減少しています。

また、徹底した差別化を各施設で図っています。

差別化というのは、ニッチ戦略。

ニッチといっても 顧客数の単純な最大化を狙うのではなく、

「こういう顧客ならば、うちにいらしていただければ120%満足していただけるはず」

というお客様に訴求して効果の最大化を狙う戦略を実践しているようです。

星野リゾートの徹底した運営ノウハウも大きいです。

旅館の予約は、電話で受け付けて台帳に記載する・・というもの。

これでは、お客様の待ち時間があったり、対応の品質が落ちたりして問題があります。

星野リゾートでは、全施設一括で予約専用の窓口があり、電話、インターネットどこあからでもスピーディーに対応できる点で、オぺーレーション上での卓越性を持っています。

また、社員教育がすばらしく、社員の接客レベルが高く、それにより顧客満足度が高くなっています。

では、なぜ 温泉旅館側が、星野リゾートに依頼するのでしょうか。

それは、「温泉観光」という スタイルの停滞、リゾートは海外へ流れている、古い施設が多く魅力に欠ける、リニューアルして大きな投資をしても思うような集客ができない、などがあります。

静岡県東部の旅館でも、非常に厳しいところが多くなっています。

そのような、古いスタイルから抜けたいけれど、自社のノウハウがないケースでは、

星野リゾートの傘下に入り再生を行う という選択肢に魅力があります。

ということで、星野リゾートは 今後も注目の企業ではないでしょうか。

結論

差別化は、なまぬるくてはインパクトがない。徹底して行うこと!

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